今回は「後悔しやすい間取り」についてお伝えしていきます。
設計プランを計画する際に要望としてはとても多く聞かれますが、実際に建てた後に住んでから後悔したとよく聞く間取りがあります。
そのような「後悔しやすい間取り」について代表的なものが3つあります。
それぞれの間取りの住んでから後悔したポイントや、そうならないために後悔しない方法をお伝えします。
■ 吹き抜けのリビング
1つめの間取りは「吹き抜けのリビング」です。
モデルハウスなどによくある間取りで、明るく開放的な広々とした吹き抜けのリビングがあります。
そのような住宅を見学されて、自分たちのマイホームにもそんな吹き抜けのリビングが欲しいと要望されるお客様がたくさんいらっしゃいます。
そんな吹き抜けのリビングですが、多く聞かれる後悔ポイントは「寒さ・音・臭い」の3つです。
空間が広くなる分、暖まるのに時間が掛かったり、暖かい空気は上に行く性質があるので足元が暖まりにくいなどが挙げられます。
また、音についてはリビングと2階の寝室や子供部屋と壁一枚でつながる事になるので、リビングのテレビの音や話し声などが聞こえやすくなります。
臭いについても同様で、キッチンで料理している臭いやダイニングで焼肉をしたりすると吹き抜けから2階へどんどん広がっていきます。
高天井のリビング
そんな吹き抜けのリビングを要望されるお客様に提案したい方法が「高天井のリビング」です。
イラストにあるようにリビングの天井を2階の途中まで高くして、その上の空間をロフトとして利用する方法です。
そのように設計することで「寒さ・音・臭い」の問題も解消することができます。
さらに高天井の上の空間もロフトとして季節物をしまう収納や隠れ家的な書斎などとして有効的に使うことができます。
■ 洗面脱衣室内の洗濯物干し
2つ目の間取りは「洗面脱衣室内の洗濯物干し」です。
雨や雪の多いここ北陸富山では、室内の洗濯物干し場は必須ですね。
洗濯物干し場をどこに設けるかはご家族それぞれのライフスタイルによって異なりますが、一般的に動線を重視する場合はお風呂や洗濯機などの水廻りの近くに設けます。
最近はあまり多くはありませんが、日当たりの良さやクローゼットに仕舞うことを重視する場合は2階に設ける場合もあります。
水廻りの近くに設ける場合で多いのが、洗面脱衣室内に洗濯物を干すスペースを取る方法です。
そんな洗面脱衣室内の洗濯物干しですが、多く聞かれる後悔ポイントは「洗濯物が邪魔になる」ということです。
限られたスペースを使うので、洗面化粧台の上や人が通る動線に洗濯物が干されて邪魔になったり、いちいち洗濯物を避けて通らなければならなかったりという具合です。
動線を避けた洗濯物干しスペース
そこで提案したいのが「動線を避けた洗濯物干しスペース」です。
お風呂や洗濯脱衣とは近い距離にありながら、洗面化粧台の上や人が通る動線を避けた位置に洗濯物干しスペースを設けることで使い勝手が悪くなることもありません。
また、必要であれば引き戸やロールスクリーンをつけて空間を区切ることもできるので、来客時に洗面化粧台を使う場合でも洗濯物が目につかないようにすることも可能です。
■ LDK内のトイレ
3つ目の間取りは「LDK内のトイレ」です。
最近は廊下を極力省いた間取りが主流になっており、トイレの位置も以前からよくある玄関ホール付近に設けるのではなく、LDKの空間内に配置することが多くなってきました。
特に、冬場の寒さ対策として暖房していない玄関ホールではなく、暖気が伝わりやすいLDK内を希望されるケースが多くあります。
そんなLDK内のトイレですが、多く聞かれる後悔ポイントは「音と臭い」の問題です。
トイレを流す音や用を足す音が食事中やテレビを見ている最中に聞こえたり、臭いが伝わってきたりするということです。
トイレとLDKの間に扉をつける間取り
そこで提案したいのが「LDKとトイレの間に扉をつける間取り」です。
LDK内にトイレを設ける場合に、LDKとトイレの間に1枚扉(できれば引き戸)をつけることにより、普段は壁の中に入れておき、トイレを使う時にだけ引き戸を閉めるようにするという使い方です。
こうすることで、音と臭いの問題がかなり軽減されますし、トイレを使う人も気兼ねなく使うことができると思います。
まとめ
今回は「後悔しやすい間取り」についてお伝えしました。
モデルハウスを見学する際や設計プランの要望を伝える際には、後悔しない家づくりをするために、必ず住宅会社の担当者にデメリットも聞くようにすることがポイントだと思います。