
キッチンには様々なタイプがありますが、最近は「アイランドキッチン」が人気です。
アイランドキッチンとは、どのようなキッチンなのか? この記事では、アイランドキッチンのメリットとデメリットについてご紹介します。
アイランドキッチンとはどんなキッチン?

アイランドキッチンのアイランドは英語で「島」という意味。つまりアイランドキッチンとは、部屋のなかで島のように独立した状態で設置されたキッチンです。シンクとコンロが一体化されたキッチンが島のように配置されているため、前後左右に一定のスペースが開いているのがポイントです。
ペニンシュラキッチンとの違いは?

アイランドキッチンとよく似た形のタイプで、「ペニンシュラキッチン」というものがあります。ペニンシュラキッチンのペニンシュラは英語で「半島」という意味。左右のどちらかが壁に面したキッチンを指し、アイランドキッチンを壁にピッタリ寄せたような作りになっているのが特徴です。アイランドキッチンほどの広いスペースを必要とせず、狭い部屋でも設置できるのが魅力です。

左:ペニンシュラキッチン 右:アイランドキッチン
アイランドキッチンのメリット
アイランドキッチンには多くのメリットがあり、人気があります。それぞれチェックしていきましょう。
■メリット1:開放感がある
アイランドキッチンのメリットのひとつが「壁や仕切りがない開放感」です。一般的な壁付けキッチンは、キッチンに立つと背後にいる家族と会話することができず、どうしても家事をおこなう人が孤立します。アイランドキッチンは対面式なのでリビングやダイニングで遊ぶお子さんの姿を見ながら、会話をしながら料理が楽しめます。
■メリット2:自由にレイアウトできる
アイランドキッチンは、壁に付ける必要がないためレイアウトの自由度が高く、スペースさえ確保できれば好みの場所にキッチンを配置できるのも大きなメリットです。アイランドキッチンを設置した背面の壁に食器や炊飯器、ポット、電子レンジなどの収納スペースを作ることもできます。
■メリット3:移動や作業を効率よくできる
島のように部屋の中に独立して存在するアイランドキッチンは、前後左右に壁や仕切りがなく、周囲に周回するためのスペースがあるため、優れた家事動線が実現します。自由に食事や食器をダイニングに運ぶことができ、家事動線を短縮させることができます。
例えば家族がふたりで作業する場合も、片側が壁にあるペニンシュラキッチンでは動線が重なりふたりの動きがぶつかってしまいますが、アイランドキッチンなら動線が2通りあるのでそれぞれの動きに合わせて自由に移動できます。
■メリット4:複数人で一緒にキッチンに立てる
島のように配置できるキッチンは、その周囲を家族や友人がグルグルと回遊できるため、誰でも気軽に料理作りや片付けに参加できる点は大きな魅力です。友人や知人を招いてのホームパーティーにも最適です。どの角度からでも作業の手伝いができ、複数人で作業を分担できるのはメリットになります。
■メリット5:おしゃれなデザイン性
おしゃれな外見もアイランドキッチンの魅力です。リビングダイニングに足を踏みいれたとき、独立したアイランドキッチンがあるとかなり存在感があります。インテリアと同系色でまとめられていると室内に美しく調和します。使い勝手の良さに加えて、インテリアと融合したキッチンは愛着がもてるのも嬉しい点で、日々の家事にもやる気が出ると思います。
アイランドキッチンのデメリット
使いやすくおしゃれなアイランドキッチンですが、やはりデメリットもあります。これから新築でアイランドキッチンを導入しようと考えている方は、メリットとデメリットをしっかり比較してください。
■デメリット1:設置するために広いスペースがいる
LDKに無理やりアイランドキッチンを設置するとソファとキッチンとの距離が近くなり、キッチンの圧迫感でリラックスできない、ダイニングテーブルを置くスペースがなくなるなど。使いやすいキッチンにするつもりが逆に使いにくく、さらに生活しにくくなってしまうとマイナスです。
■デメリット2:窓や高性能な換気扇などにおい対策が必要
アイランドキッチンは周囲に壁がないため、調理中は十分な換気をしないと食材を焼いた匂いがリビングやダイニングに充満してしまいます。煙も部屋に流れやすく高機能換気扇を設置しないと部屋全体が匂うことに。とくにIHクッキングヒーターはガスに比べて上昇気流が弱く、湯気や匂いが部屋の中に広がってしまいます。部屋が匂うだけではなく、ソファーやカーテンに匂いがついてしまうリスクもあり調理中の換気はとても重要です。
■デメリット3:散らかっていると目立つ
アイランドキッチンはすべての方向から丸見えなので、調味料やキッチン小物などを作業台に置いているとかなり目立ちます。せっかく見た目の美しいアイランドキッチンなのに、フライパンやフライ返しなどの調理器具、それに調味料などがゴチャゴチャしているのは避けたいところ。そのため日頃のマメな掃除はもちろん、収納スペースを確保することが重要です。
■デメリット4:汚れも目につきやすくなる
アイランドキッチンは周囲に仕切りや壁がないため、調理中の油はねが部屋に飛びちる、油煙が部屋に充満する可能性が高くなります。油煙は煙のなかに油分が含まれているので、煙に乗ってソファやカーテン、家具に油がつくことに。床や部屋の壁にこびりついた油は取りにくく、放置しているとベタベタ汚れの原因にもなります。シンク周りも洗い物をするすれば水はねで床が濡れる可能性もあり、水垢が心配です。
■デメリット5:子どもがいる家庭は注意が必要
アイランドキッチンは子どもの動きをキッチンから目で確認できるのがメリットですが、一方でキッチン周りをグルグル回遊できるため、簡単にキッチンスペースに入りこめるというデメリットがあります。もしグリルで調理中に足元にじゃれてきたら、包丁にいたづらしたら、と考えるだけでゾッとします。
対策として、調理中は子ども用の柵のなかにいれておく、2カ所にベビーゲートを設置してキッチンに子どもを入れない、引き出しにドアストッパーをつけて包丁など危険物を勝手に悪戯されないようにする、コンロのチャイルドロックはオンにするなどの方法があります。
■デメリット6:壁付けキッチンより価格が高い
昔からある壁付けキッチンは安価でスペースをとらないことから今も比較的人気があり、新築やリフォーム時に導入されています。大量生産されるものほど価格が安くなるため、アイランドキッチンと壁付けキッチンの価格を比較するとアイランドキッチンの方が高い場合が多いので、予算をサイズやオプションを抑えるなど検討が必要です。
ここまで、アイランドキッチンのメリット・デメリット、価格について、お伝えしました。
アイランドキッチンは、開放感に溢れた、非常に人気のあるキッチンです。ただ、油や煙、価格などの問題を考えると、いまいち採用に踏み出せないかもしれません。
そこで、アイランドキッチン「風」のレイアウトを紹介します。アイランドキッチン「風」のレイアウトにすることで、アイランドキッチンのデメリットを補うこともできます。ぜひ、参考にしてみてください。


アイランド風I型キッチンとは、周りに腰壁を作り、アイランドキッチンのようにしたレイアウトのことです。アイランド風I型キッチンでも、アイランドキッチンと同様に、周りをぐるぐる回ることができます。
また、リビング側から見て腰壁があるアイランド風キッチンなら、常にキッチンを片づけていなくてもOKです。腰壁が目隠しとなり、リビング側からキッチンの様子を見ることはできません。見えるのはキッチンに立つ人の上半身だけです。
コンロの前に油はね防止のパネル(オイルガード)の設置もできます。オイルパネルを設置すると油はね防止のほかにも、手元を適度に隠してくれる効果もあります。オイルガードを透明なもの、表面がすりガラス状になっているものなど、好みで選べるのが嬉しい点です。匂いの拡散の軽減にも役立ちます。
まとめ
アイランドキッチンは、非常に開放感があり、料理していて気持ちの良いキッチンです。そのスタイリッシュなデザインから、ついつい友人を自宅に呼びたくなる人も多いかもしれません。
ただ、アイランドキッチンには、油はねや片付けの問題などのデメリットもあります。「こんなはずじゃなかった」と思うことのないように、まずはデメリットをしっかり理解し、対策を立てましょう。
後悔の無いキッチン選びをして、素敵な生活を送ってください。